2015年6月14日日曜日

宗 道臣デーの活動(美化活動)と法話



 第11回七尾市民体育大会 少林寺拳法競技の大会終了後、宗道臣デーの活動として、大会で使用した七尾市武道館の周りの美化活動を行いました。



 今回は、例年より少ない量でした。

美化活動終了後、法話を行いました。「命をもう一度考える」
以下は、原稿として事前に作ったものです。実際に話した物とは、若干違いますが大筋では同じなので以下に載せていきます。

命(いのち)ってなんだ?
少林寺拳法と関係が無いと思っている人もいるかもしれませんが、金剛禅の赤い副読本の一番最初の章には、「命」について書かれています。

命があるものと無いものとは、どこが違う?
例えば
ホンダのASIMO(ロボット)と人間
最近は踊るロボットや、ペッパーなんて名前のロボットもありましたね。      
同じように動くけれど、ロボットは電池を入れないと動かない。
世の中には生きている物と生きていない物がある。 どこが違う?
  <質問していく>
自分自身の事を少し考えてみましょう。
 皆さんは、息をしていますね。それから、ご飯も食べるし、うんちやおしっこもしますね。しない人は居ませんよね。ロボットはしません。
 実は、人間に限らずどんな生き物も、体の中に酸素と栄養素を取り入れて、この2つから生きていくために必要なエネルギーを作り出し、いらなくなった物を体の外に出しているのです。
 生きている物はみんな(だれかに電池を入れてもらわなくても)自分が生きていく力を、自分体の中で作り出すことができます。これが「命」のひとつの大きな特徴ですね。
 動物も植物も、小さい微生物もカビや細菌も体に酸素と栄養素を取り込んで暮らしています。
(一部酸素を使わない者もいますが・・・。)
 どんな生き物の体も細胞が集まって生きています。生き物の中にはたった1個の細胞しかない物もいます。これを単細胞生物といいます。しかし、ほとんどの生き物は、細胞というつぶつぶが、沢山くっつきあってできています。人間だとだいたい60兆個〜100兆個と言われています。すごい数ですね。

細胞は顕微鏡を使わなければ見えませんが、卵の「きみ」など大きい物もあります。
細胞には四角やら丸やら細長い形や色々な形をしている物がありますが、その仕組みは大体同じです。
細胞膜におおわれて、中に細胞質があり、中心に核がありエネルギーの発電所のミトコンドリア、タンパク質や酵素を合成する工場の小胞体とリボゾームなどが有ります。

 人間の一つ一つの細胞も血液から酸素と栄養素をもらい、生きていくのに必要なエネルギーを作りだし、いらなくなった老廃物と二酸化炭素を血液が集めていきます。
 細胞は、体の一番小さな単位ですが、ただの部品では有りません。生きていくための力を一つ一つがちゃんと自分で作り出しているのです。だから小さな細胞が、それぞれ立派な「命」なのです。

 細胞は一つ一つ生きていく力を持っていますが、もっとすごい力を持っています。それは、「分裂の術!」
 細胞は、自分自身から、新しい細胞を作る力を持っています。1つの細胞が2つに分かれてどんどん仲間を増やしていくことができます。皆さんが、毎年、体が大きくなっていくのも、細胞が成長したり、増えていくからだったんです。
 どんなに大きな人も最初は、卵細胞と言う名のたった1つの細胞が、お母さんのお腹の中で2つに分かれ、それが4つに、8つに、16にとどんどん分裂し最後に赤ちゃんの形になって生まれてくるのです。

 もう一つ命の特徴があります。それは、生き物には、自分の体を修理する力があります。
 生きていれば、どうしても怪我をしたり病気になったりします。だから、生き物には、必ず、傷ついた部分を修理する力が備わっています。
 例えば、怪我をして血が出てとします。そこには、かさぶたが出来て、いつの間にか、治ってしまいますよね。それは、皆さんが知らない内に、周りの細胞が増えて傷を修理してくれたからです。細胞が増えると言うことは、体が大きくなるだけでなく、こんな時にも役だっていたんですね。

 命には自分を修理する力が備わっていますが、それでもどおしようもないこともあります。
 それは、生きていれば必ず年をとると言うことです。年をとると老化といって、体を修理する力が弱くなってきます。だから、若いときに比べて、力が弱くなってきたり、耳が遠くなったり、目が見えにくくなったりします。どうして老化が起きるのかは、まだハッキリしたことは解っていませんが、細胞の数が減ってくるという説、細胞と細胞の間に隙間が空くという説、老化物質が出るためという説などがあります。

 老化は誰にも止めることはできません。昔の中国の皇帝は、不老不死の方法を探し求めたと言う話ですが、見つけた皇帝はいません。 
 だけど年をとるのは悪いことばかりじゃありません。
 ほかの生き物と違って人間は、年をとってから活躍する人が沢山います。年を重ねれば、色々な経験をつんでそれを生かすことができますし、若い人へアドバイスすることも出来ます。人間は年をとることにも意味が有るのですね。
 人間は何歳ぐらいまで生きられるのでしょう?   <質問してみる>
 昔は、平均寿命は50才と言われていました。現在は80才ぐらいですね。医学的には、最も生きたとして120才ぐらいだろうと言われています。

生き物は、いつかは死にます。・・・・この事実を忘れていました。
死ぬのは嫌ですよね。  死んじゃう事を考えたら怖いですよね。
生きていれば必ず死ぬ。これも「命」の大切な問題です。
どうなったら「死んだ」という事になるのでしょう?  <質問してみる>
 お医者さんは、先ず、息が止まったいるか確かめます。次ぎに脈が無いことを確かめます。(心臓が止まっている事を確かめます)次ぎに瞳孔反射が無いことを確かめます。(脳が働いていないことを確かめます。)

「死ぬ」っていっても本当は色々な「死ぬ」があります。
 細胞の死:あかが出る。これも皮膚の細胞が死んだ物
 体の一部の死(臓器レベルの死):手術をして臓器の一部を切除した。
 体(からだ)全体の死(個体の死):心臓が止まった時を死とする意見と、脳が活動を止めた時が死であると言う意見があります。 「脳死」という言葉を聞いたことが有るでしょうか?
 「脳死」と診断された人の腎臓や心臓などを取り出して、他の重い病気の人に移植手術をする事が有ります。臓器移植と言いますね。取り出された臓器は、又移植された人の体の中で活動を始めます。例え取り出した臓器が動かなくなっても、細胞をバラバラにして培養器で培養すると一つ一つの細胞はまだ、生きているかもしれません。
 細胞の死、臓器レベルの死、個体の死と色々な段階の死が考えられます。難しい話ですね。
 ただ、一度死んでしまった脳や体の細胞は、二度と生き返ることはありません。これだけは、確かな話です。

「死」というテーマは、だれにとっても大きく難しい物です。昔から、沢山の人が考えたり、悩んだりしてきました。死後の世界が有ると言う人もいれば、無いと言う人もいます。本当の所は、誰にも解りません。
 限りある人生だからこそ、一生懸命やろうとするのだし、いろんな物を大切に思う気持ちも生まれるのではないでしょうか?

 それに、命には限りがある。と言っても、それはたった一つの命に限ればの話です。生きている物には、この「死」と言うテーマを越える仕組みが備わっています。
 それは、自分の命を次の世代に伝え、仲間を増やしていくと言う事です。細胞は新しい細胞を作る力を持っていると言う話をしました。これは、細胞に限った事ではなく、総ての生き物が持っている力です。
 植物は、種を残します。虫も卵を産みます。動物も赤ちゃんを産みます。人間の社会だって、毎日死んでいく人がいる代わりに、毎日どこかで赤ちゃんが産まれています。
 命は、バトンタッチされていく。これこそが、「命」のもう一つの大きな特徴です。

 命のバトンタッチは、細胞の中の遺伝子(DNAデオキシリボ核酸)の働きです。遺伝子は、命の設計図、命の秘密の暗号の様なものです。遺伝子のお陰で、人間から犬が生まれることもなければ、朝顔の種をまいてチューリップが咲くことも無いのです。
 皆さんは、お父さんやお母さんにそっくりだ。と言われたことは無いですか?これも遺伝子の働きです。

 しかし、「命」 のバトンタッチは、同じ仲間どうしの間にとどまりません。実は、今地球上にいる生き物は、40〜35億年前に生まれた、ひとつの「命」から枝分かれしてきた物です。
(最初の命がどの様に生まれてきたかは、幾つかの説があります。たまたま原始の地球上で生まれたと言う説。地球の外から隕石に乗って来た。原始の地球上で条件がそろって自然に生まれてきたと言う説など)
 細菌や微生物、植物、動物など長い年月の中で少しずつ進化してきたのです。遠い仲間、近い仲間の違いがあっても、「命」 は、ひとつの流れでつながっています。

 「命」のバトンタッチは、40〜35億年と言う長い時間を越えて渡されてきました。しかし、過去から現在にかけてだけでなく、今現在も「命」のバトンタッチは、横にもされています。それを食物連鎖と言います。
 今、皆さんが吸っている酸素は、緑の植物が光と二酸化炭素から光合成をして作り出したものです。その植物を草食動物が食べ、それを肉食動物が食べ、その糞や死骸を微生物が分解し土に返し、その土から養分を取りながら植物が育ちます。この様に生き物は一つにつながっています。
 皆さんが、今日食べた物はどれも「命」があったものです。お米だったら植物ですね。お米から「命」をバトンタッチされたのです。

 人間は、他の生き物と違ってもう一つバトンタッチされる物があります。それは、人間だけが持っている能力と関係があります。何か解りますか?
 動物と人間の違いを考えると解るかもしれません。 <質問してみる>

 それは、言葉と文字です。脳の働きと関係しています。
 動物の脳と人間の脳の構造は良く似ています。しかし、大脳皮質と言われる部分が人間は大きいのです。昨日、何をしたか覚えていますよね。いっぱいある少林寺拳法の技の名前も覚えていますよね。これを記憶といいますが、人間は、この記憶の能力に優れています。そして、色々な情報を瞬時に同時に処理し過去の記憶と照らし合わせて判断をする能力に勝れています。これは、考える力です。
 人間は、この考えた事と記憶にある事(知識)を言葉として身近の人に伝え、文字にして残すことが出来るようになりました。
 文字にして残すことが出来るようになったおかげで、沢山の人や、次の世代の人に知識を伝えることが出来るのです。
 エジプトの象形文字を読んで4000年前の人々の様子が研究されています。また、コンピューターは、記憶して残す働きをもっと大きくし、便利にしています。しかし、考える力は人間にしか出来ません。

 皆さんが何の為に勉強をするかと言う問いに答えるとすると、多くの先人達が残してくれた知識を身につけ、それをどの様に活用していくかを勉強しているのです。皆さんが勉強すると事により、多くの知恵をバトンタッチしてもらっている と言う事になるのです。

 開祖は、人間はダーマの分霊を持っていると言いました。ダーマとは、今、説明してきた「命」の特徴や不思議、「命」 を動かしている働きそのものです。
 そして、人間はこの「命」について考える能力を持っています。これが動物と人間の大きな違いなのかもしれません。

 皆さんは、40億年前から「命」をバトンタッチされて、生まれてきました。現在も、ご飯を食べることにより、他の「命」をバトンタッチされています。そして、皆さんは、これからどんどん成長する力を持っています。体の細胞一つ一つが持っているのです。
 また、過去の人達が残してくれた知識が、沢山あります。勉強し、それをどんどん吸収していく力も皆さんには有ります。 皆さん全員が、もともと そう言う力を持っているのです。 
 そして、それをどう生かしていくかは、皆さんのこれからの仕事です。

今日は「命」について考えてみました。最後は少し大きな話しになりましたが、いかがだったでしょうか?

参考文献:著者 浅井利夫 絵 川上洋一
     からだを知る本10  いのちってなんだ 生命と細胞  草土文化  1992


 小学生には難しい話しもありました。20分ぐらい話した辺りで、少し飽きてきたようです。沢山の内容が含まれていたので仕方がなかったかもしれません。
 もう少し内容を絞るべきだったかもしれません。
 しかし、どれかの話題が記憶に残っていて、大きくなったら自分で興味を持って調べてくれたらと思います。
 次に話すとしたら、「何故、命は大切なのか?」というテーマで話してみようかと思います。

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